香という名の随筆集を読んだことがある

香りについての文章は

魅惑的で不可思議な世界へ誘ってくれた

 

香りはそれこそ数えきれないほど種類があるが

その時々の気持ちに合った香りを

くゆらせて

 

先も後も時間を解き放ち

 

この休みをゆるりと過ごすのも

また一興

 

香炉 山本英樹作

 

 

 

 

 

立ち昇る先は

目に見えないけれど

 

 

その小さなちいさな粒子のひとつに

気持ちを集中したら

見えぬ先の世界にいくだろうか

 

 

ふわりふわりと

ひとわたり眺め

ぱちんと瞬きすれば

 

 

残る白檀の香り

 

 

 

※香炉 山本英樹作