夏の終わりの
すずしさは
チリリとなる風のそよ
夏の終わりの
すずしさは
チリリとなる風のそよ
無造作に置かれたカップ
暗い部屋に
ことり
たたずむ
すすいっ
と
蕎麦すする
粋なあなたの
季節がやってきましたよ
けして見通せるわけではないけど
涼やかに笑う君がいる
涼しの暗天に
ひときわ光る星の群
ついとはじかれ
光の欠片ながれぼし
顔は渋いけど
チロリン
と
かろやか
ひとすじの
白いけむりは
どこまでも
つと延びたその先で
ふと消える
追った心は閑
この ちいさきもの
庭のおもは
まだ乾かぬに
夕立の空
さりげなく
澄める月かな
(源頼政)
うつわをのせても
菓子をのせても
しっかりと包み
ささえる