あっという間の
時の流れは
日ごとスピードが速くなって
ついには私を追い越して
置いてけぼりにされるけど
いいえ
その方が気が楽よ
あとからゆっくりまいりましょう
今日もぽかぽか陽気でした
あっという間の
時の流れは
日ごとスピードが速くなって
ついには私を追い越して
置いてけぼりにされるけど
いいえ
その方が気が楽よ
あとからゆっくりまいりましょう
今日もぽかぽか陽気でした
ここの
このところが
とてもよいのです
よおく見ないと
見過ごしてしまう
たしかな響き
あなたが喜んでいると
私もうれしい
昆布のお出汁のいい匂い
ああ いい匂い
いい匂い
ピリリと効いた
秋の気配
山椒のせて
香る里芋
気持ちを引きずられないでと
テレビで小説家が言う
波に足をとられて引きずられる
どんなに足を踏ん張っても
波の力に引きずられる
それでも足を出してふんばって
一歩 一歩 また一歩
秋の夕暮れは子供の頃を思い出す
早々に暮れる日没と
家に戻る歩みの競合い
道端の枯葉の匂い
見慣れた家々の
影はよそよそしく
潜むもののけの気配
迫る不安
急く緊張は
我が家が見えた瞬間
ほっとゆるむ
ひといき 秋の匂い
橘の香をなつかしみほととぎす
花ちるさとをたづねてぞ訪う
(源氏物語)
流れに緩急がつき
思いもよらぬ表情をみせる
立ち止まり
ひと呼吸し
また進む
俯瞰し
繰り返す
だいぶ朝が遅くなりました
それでも障子に映る白は
はるかに幽かに
棚にひそりと置かれたうつわの白が
まるで相鳴っているようで
ぽつんとひそやかな意識
気配はまわりに満ち
ほんのひととき 波