遥かむかしの記憶

 

兄の机のうえにプリズム

そのガラスの塊に陽が当たると

七色に分散した光がとても綺麗だった

 

時々そっと兄の目をぬすんで

プリズムに光をあてる

美しさに

飽かず眺める

 

 

橋村さんのガラス

まわりの光をガラスに溜め

その光をやわらかに

発散させている

 

美しさは

遠い過去に見た

プリズムの憧憬に

よく似ている

 

橋村大作 作 CRACKプレート小クリア